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最愛のペットがひとりぼっちに…。死後に備えて飼い主がするべきたったひとつのこと

法律のプロが教える、相続と遺言の豆知識 第4回

新しい飼い主が世話をしてくれるか
チェックしてくれる注目のサービス

 最近では「ペット信託」なるサービスが登場しています。前ページの例でいえば、自分の死後も安心してペットが生きていくために、500万円を相続財産から切り離して信託財産とするのです。こうすれば、遺贈の放棄や遺留分の問題は生じません。信託財産とした500万円は、飼い主が代表となる合同会社(1人でも設立できる会社形態の一種)に預け、この会社が将来ペットの飼育費を管理していくことになります。飼い主が亡くなったり、老人ホームへの入所などで世話ができなくなったりした場合でも、ペットは事前に指定した新しい飼い主に渡り、合同会社から定期的に飼育費の支払いを受けることができます。
 元の飼い主からすれば、信託の仕組みを利用して確実にペットを新しい飼い主に託せるわけです。この仕組みでは、信託監督人と呼ばれる人が指定され、合同会社の管理と、新しい飼い主がペットをきちんと世話しているかをチェックしてくれます。

 ペットが家族の一員を構成する家庭も少なくないでしょう。相続や遺言を考えるに当たっては、残される相続人のみならず、ペットにとっても幸せな形を模索してあげるべきでしょうね。
<『相続の抜け穴 遺言の落とし穴』(長谷川裕雅)より抜粋>

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長谷川 裕雅

はせがわ ひろまさ

東京永田町法律事務所代表。弁護士・税理士。早稲田大学政治経済学部を卒業後、朝日新聞社に入社。記者として多くの事件を取材する。その後、一念発起して弁護士へ転身。弁護士・税理士として争族と相続税をトータルに解決できる数少ない専門家として、相談者から絶大な信頼を集めている。主な著書に『磯野家の相続』(すばる舎)、『波平は「相続」であわてない! 磯野家に学ぶ33ヶ条』(文藝春秋)、『相続で泣きたくなければ不動産のしくみを知りなさい!』(PHP文庫)、『なぜ酔った女性を口説くのは「非常に危険」なのか?』(プレジデント社)などがある。


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